『昇華』

『昇華』

ある人は、
欲求を昇華しようとする。

怒りを仕事へ。

孤独を創作へ。

悔しさを努力へ。

どれも美しい話として語られる。

でも、
ひとつ思うことがある。

昇華は、
解決とは少し違う。

美しい形に変わっても、
火種そのものが消えたとは限らない。

燃えるものを、
別の場所で燃やしているだけかもしれない。

夢中になっている間は、
欲求は静かになる。

でも、
その火が消えた瞬間。

置き去りにしていた欲求が、
何事もなかったように顔を出す。

昇華は、
欲求の終着点じゃない。
ときに避難場所となる。

昇華という美辞で、
欲求を隠さない。

本来の欲求と向き合い、
正面から応えてあげることも、
ときに必要なんだろな。