『残香』

『残香』

「あの」

「はい」

「ちょっといい香りがしたんで、
声かけちゃったんですけど、
何の香水使っているか教えてもらえますか」

「香水は使ってませんよ」

「そうですか。
では整髪料か何かですかね。
すごいいい香りがしたもので」

「もしかしたら、
ルームスプレーかもしれませんね。
服にも使えるやつなので」

「なるほど。
もしよければ、
ブランドの名前を教えていただけますか?」

「○○です」

「ありがとうございます!」

「いえいえ」

この話は、
ノンフィクションである。

ちなみに、
登場人物の性別については
一言も触れていない。

誰を想像したかは、
読者にお任せする。

香りだけ残して、
本日はここまで。

これが本当の残り香ってやつか。