『不向き』

『不向き』

短所を直すより、長所を伸ばす。

こういう考え方がある。

例えば得意なことを仕事にできれば、
それに越したことはない。

ただ、秋山の人生を振り返ると、
どうもそれだけでは説明がつかない。

手先も生き方も、
お世辞にも器用とはいえない。
なのに、器用さが求められる仕事ばかり選んできた気がする。

我ながら、
随分と不向きな道を選んできたものである。

でも、不思議と後悔はない。

むしろ、苦手なことに向き合わざるを得なかった時間の方が、
自分という人間を大きく変えてきた気がする。

得意なことは、
自分の能力を発揮させてくれる。

一方で、苦手なことは、
それまで知らなかった自分に気付かせてくれる場合がある。

最初から「自分には無理だ」と決めつけるには、
人生は少々長い。

得意なことだけを選んでいたら、
出会えなかった自分がいる。

そう考えると、
今の自分をつくっているのは、
得意だったことより、
むしろ苦手だったことなのかもしれない。

さて、
次は「向いていない」何に向かうんだろう。

やっぱりまた、
わざわざ面倒な方を選ぶんだろうか。

見ものだね。