『風穴』

『風穴』

人が大きく変わるとき。

その少し前には、
強い感情がある気がする。

悔しい。
腹が立つ。
このままでは終われない。

人を動かすのは、
いつだって綺麗な感情とは限らない。

怒り。
悔しさ。

ときに、
それはその人の「尖り」になる。

もちろん、
ずっと尖っている必要はない。

尖り続ければ、
自分も誰かも傷つける。

普段は、
曲線がいい。

柔らかく。
しなやかに。
穏やかに。

でも、
何かを突破するときだけは、
「角」が必要になる。

丸いものでは、
壁にぶつかっても転がるだけ。

尖ったものなら、
小さな穴を開けられる。

たった一つの穴から、
風が通る。

それまで動かなかったものが、
動き始める。

人生に風穴を開けるのは、
案外、
自分の中で一番扱いづらかった感情なのかもしれない。