カメと父

カメと父

ミシシッピアカミミガメを飼っていました。
3歳のころに祖母が私にプレゼントしてくれたのですが、その頃の私の手のひらに乗るくらいのとてもかわいいカメでした。

みるみる大きくなり、最終的には、iPadくらいのサイズになりました。
幼少期に何かを育てる・お世話するというのはとても難しいもので、エサをあげることはできても、定期的に水槽を洗ったりするほどの根気はありませんでした。

結局父親がカメをずっとお世話することになりました。
カメは父親によく懐きました。
ベランダでタバコを吸う父親の足元をずっとうろうろするようになりました。

カメは27年も生きました。
「亀は万年」というのは比喩だとしても、本当に長生きするんだなと思いました。
カメは、父親が亡くなってから2年後にあと追うように動かなくなりましたが、父が亡くなった後もしばらくは、ベランダの父のサンダルの上を陣取っていました。

また、カメを飼ってみようと思いました。
今度こそは大人の私が愛情をたっぷり注ぎたいなと。
すっと寄り添ってくれるようになるまで根気強く育てたいなと思っています。

FIRST CLASS
手塚 祥吾(てづか しょうご)