邦楽語り㉛

邦楽語り㉛

今日は、スピッツさんを聴いていました。

たぶん、日本で一度も耳にしたことがない人の方が少ないバンドです。

「チェリー」や「ロビンソン」は、もう“有名な曲”というより、季節みたいな存在かもしれません。

気づいたら流れていて、気づいたら口ずさんでいる。

それくらい自然に生活の中へ入り込んでくる音楽やと思います。

スピッツさんの曲って、言葉の選び方が独特ですよね。

ちゃんと意味が分かりそうなのに、
最後まで掴みきれない感じがある。

でも、その曖昧さが不思議と心地いいです。

全部説明されないからこそ、聴く側が勝手に思い出や感情を重ねられる。

だから長く残るのかもしれません。

好きな曲は「恋する凡人」。

タイトルだけ見ると少しコミカルにも見えますが、実際に聴くと、思っている以上に切実です。

特別じゃない人間が、特別な何かに手を伸ばそうとしている感じ。

背伸びしているわけでも、諦めているわけでもなく、ただ不器用に進もうとしている空気があります。

派手ではないのに、ずっと残る。

静かなのに、気づけばちゃんと心に居座っている。
そういう音楽は、案外少ないです。

FIRST CLASS
伊丹夕季