湿気が鬱陶しく感じたある夏の夜
家路へ向かって歩いていると
エントランスにはいつもより人集りが
僕が住んでいる部屋は上層階にあるが
その日は混み合っていたので階段を使うことに
夜になると灯りも少なく
踊り場をポツンと照らす灯りを頼りに
疲れた身体へ鞭を打ちながら登っていった
数階まで登り終えると
次の階は電球が切れており
踊り場が暗闇に
外から照らされる
灯りを頼りに歩き進めていくと
突如足元からガサついた鳴き声が。
突然のガサつきに
不思議なステップを踏んでしまったが
キメてしまっていないかだけ確認して
無事ファイナリストを躱し歩みを再開
さらに登り進めていくと
それまで軽快に運んでいた足に突然違和感が。
まるでなにかに引き止められるかのように
ズンっと重くなり始めたかと思うと
気づいたら上層階まで登り進めていた。
重くなった下半身を引き摺りながら
階段から覗き込んだ外の世界に
足がすくみしばらく動けなかった
FIRST CLASS 橘 凌平