『冬支度』

『冬支度』

夏至を過ぎた。

これから本格的な夏が始まる。

気温は上がり、
街は眩しくなる。

誰もが夏の到来を待ちわびる。

でも、
少し不思議な話だ。

夏至を境に、
昼の時間は少しずつ短くなる。

一年で最も明るい日を過ぎた瞬間から、
世界は静かに冬へ向かい始める。

夏の入り口に立ちながら、
冬支度が始まっている。

何かを手に入れた瞬間に、
何かを失う準備が始まる。

終わりは、
終わりの日にやって来るわけじゃない。

始まりの中に、
もう含まれている。

折り返し地点から、
もう一つの終わりというゴールが見えていれば、
通過点の過ごし方も変わるはずだ。

真夏を迎える前に、
少しだけ冬のことを考える。

そんな季節の読み方も、
嫌いじゃない。