Fuji Rock Festival 2026 Day1

2026.07.29
Fuji Rock Festival 2026 Day1

初めに言っておきたいのは、Amazon、今年もありがとう。現地と配信では得られる音楽体験に天と地、いや銀河と井戸底ほどの差があるが、その歯痒さ、悔しさを知りながらも毎年楽しませてもらっている。

とはいえ配信のメリットもないわけではない。現地では会場間の距離とタイムテーブルの都合で二者択一を迫られる状況も、配信では時間被りさえなければどちらも取れる。まあでも、そのくらいだけど……。

では一日目のレポへ。

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この日は(歯医者に行くために)半休を取っていて、会社には13時頃に出社する旨を伝えていた。つまりフジロック初日はヘッドライナーのThe xxしか見れない。そういう合意形成を自分とした、はずだった。

歯医者の帰り、灼熱の歩道で上司に休みの連絡を入れた。白線の内側にいながら社会人としての一線からはみ出てしまった。が、次の瞬間には罪悪感は蒸発し、タイテを開いて「ルート」を組み立てていた。

◆Loyle Carner @GREEN
ゆっくり昼食をとり、冷房のよく効いた部屋で食後のコーヒーを飲んだ。背徳の昼下がりにロイル・カーナーが染み渡る。穏やかでポエトリーなヒップホップ。この人めちゃめちゃ優しいんだろうなと思った。

◆TESTSET @RED
前身のMETAFIVEよりもLEO今井にフィットしていると感じた。で、九月に地元で公演してくれるようなので行くことにした。ワンマンは彼がソロだった頃に行って以来だから、実に10年以上ぶりだ。10年て。

◆TURNSTILE @GREEN
一日目の目玉の一つでしょう! 彼らのライブを見るのは初めてだったけど、そりゃ人気出るわという感じ。ハードコアってよりは90年代~00年代のオルタナの雰囲気がある。ええ、もちろん大好物ですよ私は。

◆Snail Mail @RED
三年前に渋谷の単独行きました。拙者、インディーロック×女性ボーカル大好き侍と申します(DaughterとかLaunderとかNewDadとか)。タンスタで疲弊した頭が癒えていく。このまま眠りたくなってきた。

◆Arlo Parks @WHITE
四月に出たアルバムの中でも「Jetta」はお気に入りの曲だけど、ステージでは音源よりもずっとダンサブルなアレンジになっていて非常によかった。スネイル・メイルに引き続き心地いい。マジで寝ようかな。

◆HYUKOH @RED
去年の落日飛車との共演最高でしたねということで。韓国の音楽シーンのみならず、世界的に見ても唯一無二の音楽性をしていると思う。夜に揺れながら聴ける現地が羨ましい。また日本ツアーやっておくれ。

◆ASIAN KUNG-FU GENERATION @WHITE
(ちょっとしたらxxに移動するのだけど)やはり青春は見逃せず、ヒョゴを途中離脱しアジカンへ。この芸当ができるのも配信の利点か。「センスレス」「電波塔」「リライト」の流れに歓喜。あの頃すぎ。

◆The xx @GREEN
待ちわびた大本命。八年ぶりの再始動。四月のコーチェラ配信でも度肝を抜かされたけど、今回も半端なかった! 数万人が見つめるなか、開幕を知らせたのは代表曲「Crystalised」のメランコリックなリフ。ミニマル……彼らを語る上で欠かせない形容詞。必要最低限の音数に重なるツインボーカル。美しいと嘆息するほかない音楽だと常々思う。ギター、シンセの単音とそその余白が気持ちいい「Islands」(大好き!)が流れ早くもテンションが最高潮に達する――からの「Angels」。ここまではコーチェラのセトリと一緒だ。続く「Night Time」~「Sunset」のつなぎに震える。「Sunset」のビートがカッコいいんだよ、刻みがやや変則的だったりキックが抜けたりして……。とか感じ入っていたら「Fiction」が始まった。この曲えっちすぎます。そのままシームレスに「I'll Take Care of U」(ジェイミーのソロ曲! 元はGil Scott-Heronのカバー)に接続。ロミーのボーカルで聴けるのはライブならでは。コーチェラでも堪能したけどこれは何回でも聴きたい……ので音源化をお願いします。そして「Shelter」。"Maybe I had said something that was wrong" "Can I make it better with the lights turn on"の一節がすごく好きで、これをロミーとオリバーが一緒に歌うパートもたまらなく好きだ。次の「Infinity」を切なく歌い終え、一旦ここでMCが挟まれた。前回フジロックで来日したのが2017年で、八年ぶりに活動再開してまたここに立てて嬉しいよ、みたいなことをオリバーが言った時、カメラが観客の子どもを抜いた。いったい前世でどんな徳を積んだらその歳でグリーンの最前に陣取ってxxを拝めるんだ? お兄さん悔しいよ。さて、MCが明けて丸みのあるイントロ。これは「VCR」だ。xxにしては珍しいまっすぐなラブソング。少し離れたところに立つロミーとオリバーが互いを横に見遣りながら歌う。この二人、幼馴染なんすよ。親愛が見て取れて本当に良い。ところでここまで十曲くらいやってその半分以上がデビューアルバムからなんですが、最初からどれだけ完成度高いのって話ですよね。などと思っていたら「Loud Places」きた! これはジェイミーの曲で、ボーカルをロミーに担当してもらったやつ(それもうxxじゃん)。タイトルはクラブやライブハウスのような騒げる場所を指しているのだけど、苗場もまさにそんなLoud Placesの一つなわけで、ロミーもオリバーも客もみんな踊っている。素晴らしいね。歌詞は切ないんだけどね。ノッてきたところに今度はロミーのソロ曲「Enjoy Your Life」で爆沸く場内。で、ジェイミーにバトンタッチ。「Wanna」「Treat Each Other Right」のDJプレイでグリーンステージは完全にダンスタイムと化した。ロミー、ジェイミーときたら当然次はオリバーだ。「GMT」(これもジェイミーの提供なんだけれども)を客席に入り込んでパフォーマンス。周囲の阿鼻叫喚が面白い。こうしてソロのリレーは完結。ユニットとして停止している間も個々は活動していたわけで、それがこうして実るのはとても良いことだと思った。意味があったということだからね。そろそろ終わりが見えてきた。終わりたくねー。ステージに三人の影が戻り、満を持しての「On Hold」~「I Dare You」。トリは「Intro」。優勝。僕もフジロックに出たらファーストアルバムの一曲目を最後に持ってくる粋なセトリを作りたい。しかしIntroて……何もかもずるい。

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初日は以上!

FIRST CLASS 皆川 律