ホラー①

ホラー①

ホラー談義の第一回です。ガイダンス。

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私たちが一般に使用する horror(恐怖)は、ラテン語の horreō(毛が逆立つ、身震いする)に由来する。恐ろしい対象を知覚したときに生じる、おぞましさやおののきといった反応に重心がある語である。

一方で fear(恐れ)は、自分に及びうる危険・脅威への反応である。"fear of death" や "fear of failure" のように、自身に降りかかる可能性のあるものへの不安や警戒、それらから逃れたいと思わせる感情だ。

僕がホラー作品を好み、高所や絶叫アトラクションを嫌う理由はまさにこの違いにある。外から恐ろしい事物を眺めることと、実際に恐ろしい状況に置かれること。後者は普通に死ぬじゃんと思うからだ。

ならばホラーで身の安全が保証されているかというと、実はそうでもない。昨今は読み手の側も巻き込まれるモキュメンタリー作品(いわゆる「呪いの拡散系」)が流行しているから、こちらも*死にうる。

*要検証

だが、やはり現実的な恐怖にはかなわない。心霊系は毛嫌いするのにジェットコースターには何回も乗れてしまうという人は、正直狂っていると思う。そっちのほうが全然死ぬだろ。人災とか故障とかで……

もしかすると「ホラー=あるかも/絶叫系=ある(とわかる)」という軸で捉えているのだろうか。心霊現象の存在とその危険性は不明だけど、ジェットコースターのもたらす怖さは管理されている的な。

僕は飛行機でも余裕で死ぬじゃんなどと思ってしまうタイプだから、九分九厘大丈夫です(一厘死にます)の怖さが嫌なのかもしれない。安全を謳ってはいても、しっかり現実の死を孕んでいるところが。

ホラーはどれだけ浴びても死なない。死なないのにいくらでも恐怖を味わうことができる。リスクがあるとすればトイレに行くのが怖くなる程度のものだ。怖がりの生きたがりにもってこいの娯楽である。

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ちなみにお化け屋敷もNG。理由は死ぬから。

FIRST CLASS 皆川 律