『ネガイゴト』

『ネガイゴト』

子どもの頃。

七夕になると、
願い事を書いていた記憶がある。

今思えば、
不特定多数の人に見られる前提で、
短冊に自分の願いを書くなんて、
ずいぶん無防備だった。

大人になると、逆だ。

「どうせ叶わない。」

そんな言葉を先に用意して、
願うことすらやめてしまう。

誰にも見せない願い事でさえ、
どこか気恥ずかしい。

子どもの頃に描いていた夢も、
現実を知るたびに、
少しずつ現実的な目標へ変わっていく。

夢は夢物語。

そんな常識を、
いつの間にか自分で信じるようになる。

もちろん、
叶える人はほんの一握りだ。

努力も必要だろう。

運もあるだろう。

でもその前に、
「自分には無理だ」と決めてしまったら、
そこで物語は終わる。

できるかどうかじゃない。

本気で、
できると思えているかどうか。

案外、その違いは大きい。

「もう歳だから。」

その一言で片付けるには、
人生はまだ長い。

七月七日。

どうせなら今年も、
願い事をひとつ書いてみよう。

叶うかどうかより、
信じられるかどうか。

願ったことすら忘れた頃に、
夢は現実になっているのかもね。