お濃いとお薄

お濃いとお薄

京都に大好きなお抹茶屋さんがありました。
四条河原町の近くの先斗町というところで老夫婦が営んでいる抹茶屋さんです。

そこには、舞妓さんが荷物を置いて休憩しにきたり、常連さんがお茶を飲みながらケラケラとしゃべるために来ていて、それでいて観光客へのハードルも高くない良い雰囲気のお店でした。

お抹茶といえば、茶道にあるように飲むときの作法などが厳格にあるイメージでしたが、そこの老夫婦曰く、お濃いとお薄の違いを楽しんでくれればいいとのことでした。

お濃いは、お湯の量を少なくして、ぐっと練るように濃くなったお茶です。
お薄は、お茶の量を少なくして、泡立てるようにお茶を立てて飲むものです。

お濃いには、茶饅頭など甘いものが最高に合います。
お濃いを飲んで甘いものを食べた後に、味のすっきりしたお薄で、長い時間余韻が楽しめます。

そこのお店は老夫婦がご高齢になり、数年前に閉店してしまいました。
あのお濃いとお薄を求めて、また京都に行きたいなと、ゴールデンウィークの自宅のソファに沈みながら思いました。

FIRST CLASS
手塚 祥吾(てづか しょうご)