
秋風が冷たくなってきた頃
仕事を終えて家に帰るとドアノブに紙袋が。
落とし物でもしたか?と思いながら
袋の中を見ると1通の手紙が。
「先日越してきた○○です。しばらくはバタバタしてしまいご迷惑をお掛けするかもしれません。ご不要でなければ使ってください。」
そう書かれた手紙と共に
入っていたのは "入浴剤" でした。
1人暮らしを始めて3年ほど経っていた頃。
メゾネット仕様で辺鄙な造りな事もあるのか
入退去は多くありましたが、
それまでは手土産をいただくどころか
挨拶を受けたことすら一度もありませんでした。
昨今は物騒なニュースもあり
近隣住民との関わりは
より一層淡白になったなと感じており
自分自身もどこか一線を引いていました。
そんな中、
丁寧なご挨拶をいただけた嬉しさと
贈り物への心遣いに
とてもあたたかい気持ちになりました。
後日お礼へ出向いてからは
お会いした際の挨拶はいつも以上に気持ちが込もり
どこか安心感を得ながら日々の生活を送ることができました。
"身近な存在"
って日頃から接点のある方や
身内などのイメージを強く持っていました。
関わりを広げることは大変ですが
思い遣りを持てる範囲は広くあれ
と感じた瞬間でした。
その方は既に引越しされていますが、
お会いした際の挨拶や生活音への配慮など
"身近" を大切に
明日もまた平和な日々が送れますように。
FIRST CLASS
橘 凌平 ( たちばな りょうへい )