小学生の頃は、生き物好きな子供でした。
東北の田舎出身なのですが、家の周りが田んぼだったり、すぐ近くが山だったり、公園がすぐ近所だったり、遊び場には困らない生活でした。
カブトムシにバッタ、蝶々、みみず、カメ、カエルなどなど、目についた生き物は片っ端から捕まえて、そのまま家に連れて帰っていました。
虫かごや水槽が庭や室内に常にいくつも並んでいて、親からすれば良い迷惑だったと思います。
家の周りが田んぼだったこともあり、特にカエルは大量にいたので、しょっちゅう捕まえていました。
たまに現れる巨大なウシガエルだけは別で、鳴き声も低くて妙な迫力があり、正直相当怖かったです。
一方で、小さなアマガエルはつぶらな瞳がとにかく可愛くて、手のひらに乗せたままいつまでも見つめていられました。
ある夏、近所のおじさんから「台風が来ると、どじょうが用水路にまで上がってくるんだよ」と聞かされました。
いてもたってもいられなくなり、大雨の中カッパを着て、用水路のふちでどじょうの襲来をひたすら待ち続けたことがあります。
結局あの日どじょうが来たのか来なかったのか、実はまったく思い出せないのですが、あの時の光景や高揚だけははっきり覚えています。
あの何にも代え難いワクワクは本当に尊いものだったなと思います。
今でも自然に囲まれた場所が好きなのは子供の頃からの性分みたいです。
FIRST CLASS
佐伯 渉(さえき わたる)