雨と桜

雨と桜

こんばんは。ようやく追いつきました。

先日、お花見に行ってまいりました。あいにくの雨ではありましたが、それもまた一興。風情とは心のもちようでいかようにもなるものです。実際、和歌の世界にも雨と桜を詠んだものはいくつか残っています。

雨降れば 色去りやすき 花桜
薄き心も 我思はなくに
(紀貫之)

雨で色が抜けてしまう桜の花ような、そんな薄い気持ちであなたを慕っているのではありません。うーん、あまりにラブといったところでしょうか。ちなみに雨で桜が白く見えるのは光の乱反射によるものです。

さくらがり 雨はふりきぬ おなじくは
ぬるとも花の かげにかくれむ
(詠人知らず)

桜狩りの途中で雨が降ってきてしまった。どうせ濡れるなら桜の木の下で雨宿りしようじゃないか。心のもちようとはまさにこのこと。しかし後日、かの藤原俊成に、実行は愚かだよねとマジレスされています。

春雨の ふるは涙か 桜花
散るを惜しまぬ 人しなければ
(大伴黒主)

桜が散るのを惜しむ人々の涙が、春雨となって降るのだろうか。まあ、昔はネトフリとかありませんからね。超人気コンテンツの桜を惜しんで涙を流す気持ちも分かります。開花前から泣くのは気が早いけれども。

というわけで雨の桜にも感じられることはいろいろとありまして、なかなか捨てたものじゃありません。とはいえ週末はお天気もよさそうですから、絶好のお花見日和になるかもしれませんね。お見逃しなきよう。

FIRST CLASS 皆川 律