鳥貴族で飲める友人がいれば

鳥貴族で飲める友人がいれば

今日は以前のキャスで話した“積読本”の話を。

仕事を終えた夜、
前に買っていた一冊をふと手に取った。
タイトルは──
『鳥貴族で飲める友人が1人いれば人生は勝ったようなもの』。

数か月前、仕事の出先で立ち寄った本屋で見かけて、
あまりのタイトルの妙に惹かれて買った本だ。
著者は裏モノJAPAN編集部。
全国の飲み屋で出会った人生の先輩たち、114人の言葉を集めているという。

書かれているのは、偉人の成功談でも、自己啓発でもない。
どこかの飲み屋で、ぽつりとこぼれた“人生の本音”たち。
少し笑えて、少し沁みる。
人の温度がそのまま言葉になったような一冊だった。

その中に、こんな一文があった。

「鳥貴族で飲める友人が1人いれば、人生は勝ったようなもの」

50代の男性の言葉らしい。
気を遣わなくていい友達がいて、
疲れた日も“今日はどうだった?”と何気なく話せる。
そんな人がひとりいるだけで、
人生は少し軽くなる——という意味だった。

もしかしたら、年を重ねるほど、
誰かに合わせるより、“素でいられる時間”を求めるようになるのかもしれない。

笑ってもいいし、黙ってもいい。
肩肘張らず、お互いに無理をしない、そんな関係。

そういうのっていいよなぁ、なんて思いながら読んでいたら、
無性にトリキの焼き鳥が食べたくなってきた。

……トリキ、いこかな。

FIRST CLASS
松風 慎二