邦楽語り㉖

邦楽語り㉖

今日は、[Alexandros]さんを聴いていました。

正直なところ、私はこれまで「このバンドが好きだ」と強く自覚したことがありません。

熱心に追いかけてきたわけでもなく、語れるほど詳しいわけでもない。

けれど不思議なもので、一曲知るたびに「いい曲だな」と思ってしまうのです。

そうして気づけば、知っている曲が少しずつ増えていました。

どうやら私は、自分でも気づかないうちに好きになっていたみたいです。

彼らの音楽は、どこか一つが突出しているというよりも、全体の完成度が高い印象があります。

劇的な瞬間に頼らなくても、最初から最後まできちんと成立している。

安心して聴いていられるバンドサウンドです。

もしかすると私は、そういう安定した強さに惹かれるのかもしれません。

有名な曲で言えば「ワタリドリ」や「閃光」でしょうか。

けれど個人的に好きなのは「Dracula La」と「ムーンソング」です。

「Dracula La」は少しクセがありながら、どこか洗練されています。

派手に主張するわけではないのに、耳に残る。

「ムーンソング」は決して静かな曲ではないのに、不思議と夜を思わせます。

帰り道、ひとりで歩いているときに流れてほしい、そんな一曲です。

派手さよりも安定感。

強烈な個性というよりも、積み重ねられた総合力。

だからこそ長く聴けるし、ふとしたときにまた戻ってきたくなる。

そんなバンドだと感じてます。

FIRST CLASS
伊丹夕季