名を持つということ

名を持つということ

今日は、名前の話を少し。

自分に名前をつける経験は、これまでなかった。
だから、この名前を決めたとき、
どこか不思議な気持ちになったのを覚えている。

苗字はなんとなく自然を感じるものがいいなと思っていた。
ある日、何気なく観ていたドラマで出ていた
キャストの方の名前が「松風」だった。

その響きを聞いた瞬間、「あ、これかも」と思った。
風が通り抜けるような音の美しさと、
どこか凛とした雰囲気が心に残った。

そして「慎二」。
“慎み”という言葉には、
人と向き合うときの姿勢が現れている気がする。

声のトーン、距離の取り方、
何を言うかより、どう伝えるか。
そういう小さなことを丁寧にできる人でありたいと思った。

“二”という字には、
誰かの時間に静かに添う、
そんなイメージを込めた。

支えるでも、引っ張るでもなく、
そっと隣にいられるような存在でありたい。

最初のうちは、まだ“新しい名前”という感じだったけれど、
日記を書いたり、キャスで話したり、
お客様と過ごす時間を重ねるうちに、
少しずつこの名前が自分の中に馴染んできた。

名前を呼ばれるたびに、自然と背筋が伸びる。

名前って、不思議だ。
つけた瞬間よりも、
“誰かに呼ばれ続ける時間”の中で、
少しずつ本当の意味を持っていくものなのかもしれない。

FIRST CLASS
松風 慎二