余生を日数で数えるということ

余生を日数で数えるということ

どこかで、こんな言葉を目にした。

「人生を有意義に過ごしたければ、余生を日数計算してみよう」

年齢を重ねるほど、時間の流れは早く感じる。
子どもの頃の一年はあんなに長かったのに、
今は気づけば、季節がひとつ過ぎている。

もし自分の残りの時間を“日数”で数えるとしたら、
あとどのくらいになるんだろう。
ふとそんなことを考えて、
スマホの計算機を開いてみた。

出てきた数字は、思っていたよりずっと小さくて、
どこか現実味のある“期限”のようにも見えた。

でも、その数字を見て焦るというより、
むしろ、ひとつひとつの時間を
もう少し丁寧に使ってみたいと思った。

たとえば、ベランダに出て朝日を浴びること。
久しぶりにバスケをして、身体を動かすこと。
誰かと他愛もない話をしながら、同じ時間を過ごすこと。
そんな瞬間の一つひとつを大切にしたい。

余生を数えるというのは、
「終わりを意識すること」じゃなくて、
「今日という日を意識して生きること」なのかもしれない。

FIRST CLASS
松風 慎二