
中学生の頃、初めて犬を飼った。
犬種はジャックラッセルテリア。
十何年ものあいだ、
嬉しいときも、落ち込んだときも、
いつもそばにいてくれた。
最初に家に来た日のことは、今でも覚えている。
小さな段ボールからひょっこり顔を出して、そのまま小さな体で家じゅうを駆け回った。
好奇心とエネルギーのかたまりみたいな子だった。
どんなに疲れて帰っても、
階段の音がすると全力で駆け寄ってくる。
あの、ぴょんぴょん跳ねる姿。
手や顔を舐めてくるそのしぐさ。
決していい匂いじゃないのに、すごく嬉しかった。
それだけで、嫌なことなんて全部どうでもよくなった日もあった。
十年以上いっしょに過ごす中で、
僕の環境も気持ちもずいぶん変わったけれど、
この子はずっと変わらず、真っすぐな目で僕を見てくれていた。
数年前に、その子は静かに旅立った。
今はもう、あの日のように走り回る姿は見られない。
それでもふとした瞬間に思い出す。
朝の光の中で伸びをしていた姿、寝息、温もり。
あの時間があったから、今の自分がいる気がします。
動物や犬は今でも大好きだけど、
親バカかもしれないけど、
多分もう、あのとき以上に愛せる存在には出会えないんじゃないかと思う。
この十何年は、
僕の人生の中で、間違いなく一番温かい時間だった。
あの子がくれた幸せを胸に、これからも優しく生きていこうと思う。
FIRST CLASS
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