逆算思考。
ゴールを決めて、
そこから現在へ戻って考える。
効率的で、合理的で、
いかにも正しい考え方のように聞こえる。
でもふと思う。
それは本当に「逆」なのか。
逆算という言葉には、
どこか現在を基準にした響きがある。
今ここが出発点で、
未来はまだ存在していないものだという前提。
けれどもし、
人の思考の基準が最初から未来にあるとしたら。
未来から現在を見ることは、
逆でも何でもない。
ただ自然に歩いているだけになる。
自分が将来どうなっているか。
それがぼんやりでも見えている人は、
迷っているように見えても、
実は進む方向を疑っていない。
「将来なんて分からない」
多くの人がそう言う。
確かにその通りだ。
でも、
なぜか将来をすでに知っているような
歩き方をする人がいる。
焦らない。
比べない。
遠回りに見えても、躊躇がない。
きっとその人にとっては、
未来から現在を考えることは
戦略でも思考法でもない。
無意識に行う呼吸みたいなもの。
逆算なんて言葉すら必要ない。
未来に立っている自分が、
たんたんと今を選び続けているだけ。
たぶん人生は、
未来へ向かって進んでいるんじゃない。
もうどこかで決めてしまった未来に、
静かに追いついていくだけなんだと思う。