『期待と責任』

『期待と責任』

責任感が強い人ほど、
まわりの期待を一身に背負ってしまうところがある。
頼られれば応えようとするし、
求められれば自然と力を尽くしてしまう。

その姿勢は確かに美しい。
でも心のどこかで思う。
全部に応える必要なんてあるんだろうか、と。

期待には、
純粋な願いもあれば、
相手の都合で押しつけられた「願望」も混ざる。
その境目を見失ったまますべてを抱え込めば、
心は削れ、やがて自分を見失う。

八方美人の一番の副作用は、
「誰も傷つけないように」動くほど、
いちばん自分を傷つけてしまうところだと思う。

本当に応えるべき期待は、
驚くほど少ないんじゃないか。

自分が心から尊敬する人。
大切にしたいと思える人。
自分の幸せを願ってくれる人。
人生に本気で関わってくれている人たち。

その人たちの期待は、
重荷じゃなくて、
未来へ向かう背中の支えになる。

自分の人生を大切にするというのは、
「自分を大切にしてくれる人を、同じように大切にする」
ということでもある。

俺は不器用だから、
すべての期待に応えられない。
でも、それでいい。

本当に「応える価値のある期待」に、
ちゃんと責任を持てる自分でいたい。