『永い夜』

『永い夜』

久しぶりに、
早めに床についた。

今日は頭も使った。

体もそれなりに疲れている。

よし。
今日は気持ちよく眠れそうだ。

そう思える日は、
意外と少ない。

そして今日は、
その意外と少ない日だった。

なのに。

眠れない。

目を閉じても、
一向に眠気がやってこない。

こういう夜が、
半年に一度くらいある。

時計を見る。

丑三つ時。

どうしたものか。

眠ろうとすればするほど、
眠れない。

考えないようにすると、
余計なことを考え始める。

人間というのは、
眠ることすら思い通りにならないらしい。

なぜ今日?

しばらく考えて、
ようやく分かった。

今日は、
秋分の日だからだ。

昼と夜が、
ほぼ同じ長さになる日。

これから、
少しずつ夜が長くなっていく。

なるほど。

俺の夜も、
一足先に長くなったらしい。

そういうことにしておこう。

季節には、
節目がある。

夏から秋へ。

昼から夜へ。

少しずつ、
主役が入れ替わっていく。

秋の夜長とはいうけれど。

秋山の夜長は、
どうやら少し早い。

誰ですか、
「もう今日でシルバーウィーク終わっちゃう」
とか言ってるのは。

今日がメインの日ですよ。