クリスマスと言ったら、
サンタクロースを思い浮かべる人が多いだろう。
僕はふと、幼少期のことを思い出す。
実家では毎年、クリスマスの朝になると、
親と寝ている寝室の入り口付近に
プレゼントが置いてあった。
小1のクリスマス前。
当時の松風は、ふと疑問を覚えた。
「……煙突もないのに、
サンタはどうやって侵入してるんだ?」
夜間、家にはちゃんと鍵が掛かっている。
簡単にぶち破れる扉でもない。
……ということは、
プレゼントはすでに家の中にあるのでは?
そんな仮説が生まれた。
その年、「正体を暴く」と決め、
前日の夕方から家中を捜索。
当然、そうそう見つからない。
少し早めに親の寝室へ行って寝ると言って
ブラフをかまし、
寝る前にも再捜索。
押し入れの奥で、いい感じの箱を発見した。
翌朝、寝室の扉を開けて見たものと完全一致。
「あっ(確信)。」
それは、仮説を検証した末に、
世界の仕組みを理解した瞬間だった。
翌年からサンタは現金支給に切り替わり、
妹が生まれた頃には僕も成長していたので、
僕もサンタ役に昇格した。
こうしてサンタの役割は、
しっかりと継承されたのだった。
……今年も、たくさんの笑顔が溢れますように。
FIRST CLASS
松風三太