邦楽語り⑮

邦楽語り⑮

先日、初めて NELKE のライブを観ました。

バンド自体は前から知っていて、曲もいくつか聴いていたのですが、生で観るのは今回が初めてで。

正直、想像していた以上に“ライブで魅せるバンド”で、一曲目が始まる前からすでに惹き込まれていました。

まず印象的だったのが、SE。

紙をめくる音、ボールペンが走る音――あの静かで日常的なのにどこか緊張感のある音で空気が満たされていって、「あ、もう始まってるな」って感覚が自然と生まれるんですよね。

静かな演出なのに、しっかりと世界観がつくられていく感じがすごく良かったです。

メンバーがゆっくり登場していって、最後にボーカルが出てきて。

そこからブレスの音だけで始まる「ロリポップサイダー」の冒頭、ボーカルのソロ。

あの瞬間は本当に鳥肌でした。

歌唱力そのものの強さもあるんですが、声の置き方とか温度みたいなものが一気に伝わってきて、一発目のブレスで「うわ…」ってなりました。

楽器が加わってからは、とにかく全体のレベルが高い。

その中でも僕が聴きながら特に注目していたのはバッキングギターでした。

普段はあまり前に出てくることが少ないパートやけど、NELKE の場合は曲ごとに音のキャラクターが全然違っていて、ひとつひとつの音色にしっかり意図があるのが伝わってきました。

“こだわりを聴く楽しさ”ってこういうことだよな、と改めて思わされるライブでした。

初めて観たのに、すぐ「また観たい」と思わせてくれるバンド。

ライブで惚れ直した、そんな夜でした。

FIRST CLASS
伊丹夕季(いたみゆうき)