邦楽語り⑨

邦楽語り⑨

ClariSって、デビュー当時から“二人の正体が見えない”という不思議さをまとっているのに、曲そのものは驚くほどまっすぐなんですよね。

キラキラしていて透明感があるのに、どこか切なさが残る──そのギャップが昔からずっと魅力だと思っています。

聴くたびに思うのは、彼女たちの歌声って「年齢が変わっても変わらないピュアさ」があること。

もちろん活動を続けている中で表現は深まっているんだけど、その根っこの部分の“まっすぐさ”だけはずっと残っている感じがします。

しかもClariSって、タイアップ曲が多いのに作品に寄り添いすぎず、ちゃんとClariSの世界が成り立ってるのがすごい。

「コネクト」も「ルミナス」も「カラフル」も、それぞれの作品の色をまといながら、ちゃんとClariSの物語の一部に聞こえるんですよね。

優しくて、少し懐かしくて、でもどこか未来に向かう光が差しているような……

疲れているときに聴くと、胸の奥の固まったところが少しだけほぐれる気がします。

FIRST CLASS
伊丹 夕季(いたみ ゆうき)