『庭の保全』

『庭の保全』

心は、小さな庭。
何もしなくてもそこに在り続けるけれど、
放っておけば、知らないうちに雑草が伸び、
風通しが悪くなり、少しずつ荒れていく。

荒れた庭に、いきなり花は咲かない。
それと同じで、心も整っていない時期に
無理に前向きになろうとすると、
どこかで無理が生まれてしまう。

だからこそ、
定期的な「心の栄養」が必要になる。
美しい景色に触れたり、
安心できる人と話したり、
ひとりで静かに呼吸を整える時間を作ったり。
そんな小さな手入れが、
心の庭をゆっくりと整えてくれる。

大事なのは、
いい時期にどれだけ頑張れるかではなく、
悪い時期にどれだけ「落ちすぎないか」。
庭を守るように、
自分をやさしく見守れるかどうか。

心の庭は、
誰かが代わりに手入れしてくれるものじゃない。
その整え方も、扱い方も、
本当は自分が一番よく知っている。

部屋を丁寧に掃除するみたいに、
たまにでいいから、
自分の庭にもそっと目を向けたい。