人生の質は、
どんな感情と一緒に過ごしているかで
そっと変わっていく。
嬉しい、楽しいだけが
前に進む力になるとは限らない。
焦りが背中を押す日もあれば、
寂しさが優しさに変わることもある。
逆に、平和すぎる日々が
行動する気持ちをそっと奪うことだってある。
感情はまるで天気のようで、
完全にコントロールすることはできない。
どんな感情が湧くのかすら、
自分で選べないことのほうが多い。
でも、その感情を
どう受け取り、どう扱うかだけは
自分で選べる。
焦りを「しんどさ」ととらえるか、
「動き出す合図」と見るか。
不安を「弱さ」と決めつけるか、
「備えるためのサイン」と受け取るか。
同じ感情でも、
意味づけひとつで
心の波は静かになる。
いろんな感情を完璧に使いこなせたら。
と思うこともあるけれど、
きっとそれより大切なのは、
湧いた気持ちにそっと寄り添うこと。
どんな感情も、
自分の中に灯ったひとつの「灯り」として扱えたなら、
進むべき道を照らしてくれる伴走者にも思えてくる。
感情に振り回されるのではなく、
感情と一緒に歩けるようになること。
それが、静かに大人になっていくということなのだと思う。