時代のうねりの中で ―イクサガミ―

時代のうねりの中で ―イクサガミ―

最近、Netflixで話題になってる
『イクサガミ』を観てる。

舞台は、江戸から明治へと一気に価値観がひっくり返った時代。
昨日まで“武士”だった人たちが、
急にその身分も誇りも奪われていく、あの空気の中で物語は進む。

(ネタバレなしで書く)

廃刀令、身分制度の廃止、急速な西洋化。
「武士であること」に意味がなくなる世界で、
主人公たちは否応なく
“自分は何者なのか”“何のために生きるのか”
そんな問いに向き合っていく。

派手なシーンもあるけど、
僕が惹かれたのはその内側の揺れだ。

正義って人の数だけ形があるし、
守りたいものが変われば、強さの意味も変わる。
その当たり前の事実を、
作品は容赦なく突きつけてくる。

時代の速さに置いていかれそうになる今の僕らにも、
どこか重なる部分がある気がして、
静かに沁みる。

……人生って難しいよなぁ。

FIRST CLASS
松風 慎二