満票でのMVP。
二刀流。
まさに世界最高の野球選手。
大谷翔平は本当にすごい。
日本人の誇りだ。
ほとんどの人が、そう素直に思うはず。
野球をやっていない人。
すでに選手を引退した人。
未来を信じている子どもたち。
彼らは、大谷選手のすごさをまっすぐに受け取り、
夢を重ね、力をもらう。
だけど——。
野球を続けている人ほど、
彼に近い場所にいる人ほど、
胸の内にはもっと複雑な感情が生まれる。
嫉妬に似たざわつき。
悔しさ。
羨ましさと誇らしさが同時に押し寄せるような、
言葉にしづらい“混ざり合う気持ち”。
遠くにある光は、ただ眩しく美しく見える。
けれど近くにある光は、
眩しすぎて目を背けたくなる瞬間すらある。
人間って、そういう生き物なんだと思う。
自分にないものを求めてしまう。
自分にあるものに満足できなくなる。
でも、それでも、
今の自分を大切にして、
自分の足で前へ進むしかない。
そう思わせてくれるほど、
大谷翔平という存在は、やっぱり圧倒的にすごい。