邦楽語り⑦

邦楽語り⑦

先日ふと思い立ってWOMCADOLEを聴き直したのですが、改めて“背中を押すロック”ってこういうことやな…としみじみ思いました。

今は活動されていないバンドではありますが、思い出したので少し語ります。

このバンドの魅力は、とにかく言葉の強さに尽きると思います。
ガシッと掴みにくるような歌詞なのに、不思議なくらい丁寧で、どこか弱さを抱えた人間のまま叫んでいる感じがして、妙に刺さる。

特にボーカルの声は、荒々しいとか激しいというだけじゃなくて、“生きてる音”っていう表現が一番近い気がします。
まっすぐで、時々少し震えてて、でも全力で前を向いている。
ライブで浴びるとその熱が直に伝わってくるような、そんな声です。

楽曲はストレートでエモーショナルなのに、どれもメロディがしっかりしていて聴き疲れしない。
ギターの抜け方も爽快で、リズム隊のグルーブも芯があって、“熱いのに重くない”絶妙なバランスが続くのが、このバンドの良さ。

個人的なおすすめは「アオキハルへ」と「黎」。
詩的で綺麗なようで粗さもある。そんな曲です。

勢いだけじゃなく、誠実さみたいな熱を持っているバンドって、本当に少ない。
WOMCADOLEはその数少ない存在のひとつだと思います。

疲れた夜や、ちょっと踏ん張りたい日に、ぜひ一曲だけでも聴いてみてください。

FIRST CLASS
伊丹 夕季(いたみ ゆうき)