邦楽語り⑥

邦楽語り⑥

しばらく前にライブでLaura day romanceを観て、めちゃくちゃ良かったので少し語ります。

正直、あんなに音の“質感”を丁寧に扱うバンドはなかなかいないと思います。

音量が大きいとか派手ということではなくて、
一音一音がまるで空気に溶けるみたいに美しくて、会場の空間そのものが柔らかくなる感じでした。

ボーカルの声も独特で、掠れてるわけでも、張ってるわけでもないのに、一瞬で感情の輪郭を出してくる。
しかも音の隙間の取り方が絶妙で、バンド全体で「静けさ」をデザインしてるような印象を受けます。

楽曲も構成が緻密で、コード感やメロディラインの運びが本当に繊細。
ギターも目立ちすぎる感じではないですが、存在感をしっかり持っていて、独特で時々キラキラした音もみせてくれる。
でも決して難解じゃなくて、ちゃんと“ポップ”に落とし込まれている。

ライブで聴くと、その絶妙なバランスがより際立って、「綺麗」というより「美しい」という言葉がしっくりきます。

個人的におすすめなのは「sad number」や「渚で会いましょう」です。
どちらも静かに刺さるタイプの曲で、夜にひとりで聴くと心が整う気がします。

静かで、それでいて心地よい音を聴く夜を過ごしてみるのもどうですか?

FIRST CLASS
伊丹 夕季(いたみ ゆうき)