コンビニでよく見る、ちょっと不思議な光景があります。
レジの前で「どうぞ」「いえいえ」「いや、どうぞどうぞ」と、
静かなゆずり合いが始まるあの瞬間。
お互いに気をつかってるのがわかるから、
どちらもなかなか動けない。
結果、店員さんだけが少し困った顔をしている——
なんとも日本らしい場面です。
誰も悪くないし、むしろ全員が優しい。
でも、優しさが多すぎて進まないというのは、
なんかおもしろいなって思います。
ただ、その小さなゆずり合いを見ていると、
“気づかいの文化”ってやっぱりいいなと思うんです。
急ぎ足の人が多い中で、
一瞬でも「相手を立てよう」とする気持ちがある。
それだけで少しあたたかくなる気がします。
そんなやさしさが混ざる場所やから、
あと、おでんのちくわと肉まんが美味しいから、
僕はコンビニがけっこう好きです。
FIRST CLASS
伊丹 夕季(いたみ ゆうき)