
いつものように日が落ちてからスーパーに行くと、バナナコーナーがもぬけの殻だった。正確には片隅に一つだけ残っていたが、それは三種ある価格帯の中で最も高いものだったから、飛びつくわけにはいかなかった。
一番避けたいのは翌朝食べるバナナが無いことだ。よって、ここで買うかよそで買うかしかない。前者は支出が、後者は時間と労力がかさむ。こうしている間に誰かに取られるかもしれず、早い決断が求められていた。
とはいえ普段の倍近い値段だ。○○農園だの、有機栽培だの、もっちり食感だの、いつからかそんな優等生たちが売り場の一角を占めるようになってしまった。素朴な子でいいのに。普通のバナナで埋め尽くしてほしい。
しかし、これはこちらの責任問題でもある。世の不平を嘆いてばかりで、こういうときに「それでもいっか」とあっさり思える心の余裕を持つための努力を怠ってきた(いる)、そのツケの清算とも考えられるからだ。
たかだか数百円の違い、次は安いやつが買える、いつものより美味しいはず……。そう唱えながら手に取る。ずっしり重い。国語の読解問題を作るなら、絶対にこの場面で作者(わたし)の気持ちを問おうと思った。
こうなる一歩か二歩手前、同じように高いバナナしかない状況で、いくらか逡巡して買った人もいたはずだ。その一方、「ふーん」くらいで済ませ、さっさとカゴに入れた人もいただろう。悔しい。それが正解です。
そのあと食パンコーナーに移った。てまえどりの推奨ポップが目に入る。今日は心が荒んでいるからいい子ちゃんとは限らないぞ、と思いながら手前と奥とで消費期限を見比べる。三日。揺らぐには十分な差だった。
でも、手前にした。意地だった。ここで奥に手を伸ばしたら、余裕どころか品もなくなってしまう。高いバナナを買うことになったが、命短いパンを「選んだ」。どちらも損だとしても、自尊心は回復できると思った。
帰り道、信号がやけに青続きで、こりゃ善行のおかげかと気を好くしてすいすい走っていたが、よく考えたらプライドが動機になっているだけで善行でも何でもなかった。でもいいんだ。弱い自分に一矢報いたから。
〜〜
普通のバナナでも200円近くするのどうにかなりませんか?(本心)
FIRST CLASS 皆川 律
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