
「夜のネオン、割と嫌いじゃない。」
東京タワーを横目にそう感じた私は、
赤いヒールを地面に弾かせて、男と一緒に歩いていく。
車は路上に停めてあり、レストランへ入る。
「チャラい男は大嫌い。」
私の口癖ではあるが、今夜は真実ではない様だ。
私は私であるだけ。それ以上でも以下でもない。
時にウソはつく事はあるけど、私には絶対につかない。
戦略的撤退ならぬ、戦略的自衛ってやつ。
私は今日は夜の女。煙草の匂いも心地良くていい。
「私のママも昔はマハラジャで踊り狂っていたよ」
それを免罪符に、今日も夜の大都会で遊ぶ。