超短編小説②

2025.08.10
超短編小説②

「夜のネオン、割と嫌いじゃない。」

東京タワーを横目にそう感じた私は、

赤いヒールを地面に弾かせて、男と一緒に歩いていく。

車は路上に停めてあり、レストランへ入る。

「チャラい男は大嫌い。」

私の口癖ではあるが、今夜は真実ではない様だ。

私は私であるだけ。それ以上でも以下でもない。

時にウソはつく事はあるけど、私には絶対につかない。

戦略的撤退ならぬ、戦略的自衛ってやつ。

私は今日は夜の女。煙草の匂いも心地良くていい。

「私のママも昔はマハラジャで踊り狂っていたよ」

それを免罪符に、今日も夜の大都会で遊ぶ。